2010/12/1
多くのゲームプレイヤーにとって今年最大の注目作品
「モンスターハンターポータブル 3rd」(MHP3rd)が発売されました。
YouTube:CapcomChannel
PSP『モンスターハンターポータブル 3rd』 オープニングムービー
個人的にこのタイトルで注目すべきポイントはプロダクトそのものよりも
家庭用ゲームとソーシャルゲームの新たな関係だと考えています。
●仕掛けはソーシャルゲームから
2010年8月10日『モンハン日記 モバイルアイルー村』は、モバゲータウンにてサービスが開始されました。
注目の『モンハン』ソーシャルゲームがいよいよ正式サービス開始/ファミ通.com
http://www.famitsu.com/k_tai/news/1238690_1350.html
ソーシャルゲームならではのストレスの少ないプレイ感や、様々な友達とのコミュニケーションが実現されており、シリーズのマスコットである「アイルー」を最大限に可愛く表現するため、グラフィックや演出に工夫が凝らされている質の高いコンテンツとなっていました。
●『モンハン日記 モバイルアイルー村』ユーザー50万人を突破
更にオープンからおよそ半月ほどで50万人を突破しています。
ソーシャルゲーム『モンハン日記 モバイルアイルー村』の会員数が50万人を突破/ファミ通.com
http://www.famitsu.com/news/201008/27032714.html
これは先に挙げたソーシャルゲームとしての完成度に加え、ソーシャルゲームの題材にもなっているPSP(プレイステーション・ポータブル)向け、スピンオフタイトル『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』の話題性やプロモーション施策が相互に作用を及ぼした結果と見受けられます。
※もっとも『モンハン日記 モバイルアイルー村』自体もプロモーション施策の一つですが
●『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』50万本突破
前述のスピンオフタイトルは発売直後から品薄の状態が続き、国内出荷数50万本を達成しました。
『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』が国内出荷本数50万本突破/ファミ通.com
http://www.famitsu.com/news/201009/22033929.html
数字の裏には『モンハン日記 モバイルアイルー村』の影響が、大きく働いていると考えられます。
「モノ」ではなく「体験」を売れとマーケティングではよく言われますが、従来の雑誌やCMなどの広告媒体での認知と違いユーザーは、モバゲータウン内でゲームを通じてこの製品を体験しているのです。
ソーシャルゲームを通じて伝えられたキャラクターの可愛さ、コンテンツの面白さ、直接的なインパクトがあるものでしょう。特に広告業界の方はこのアイデア参考にすべきですね。
●『モンスターハンターポータブル 3rd』の販売へ
ソーシャルゲームから始まったステップは、主役タイトルの発売に向けたプロモーションとして、従来のシリーズをプレイしていたユーザーのみでなく、それまでモンスターハンターに興味が無かったユーザーも引き入れる事に成功しているでしょう。
発売後に購入者属性を見る機会があれば注目したいところです。
●ソーシャルゲームの育成
ゲーム発売後にはソーシャルゲーム上でのイベントや、連動プロモーションによってゲームの告知を強化するというのも、もちろん重要な役割ですがソーシャルゲームを育て、全体の収益を拡大していく戦略を取る事もできます。
ソーシャルゲームのビジネスにおいては
・会員数
・課金率、課金単価
・PV数(広告向け)
といった要素で売上が変化します。
現在の『モンハン日記 モバイルアイルー村』ではプロモーションや、集客に重きが置かれており、ゲーム内の課金要素は限定的です。
課金対象として分りやすいものでは
1.時間短縮、行動力回復アイテム
2.ガチャガチャ
3.アバターアイテム
こういった仕組みは企画段階で組み込まれるものですが、『モンハン日記 モバイルアイルー村』では(1)のみが、課金アイテムとして提供されています。
ソーシャルゲームで購入される確率が高いのは、確かに(1)ではありますが課金単価を高めるのは難しい要素です。(イベントで消費を促す事は出来ます)
(2)(3)のようなランダム性、ギャンブル性、コンプリート要素を持ったアイテムを上手くゲーム内に取り入れる事が売上を高める大きな方策となります。
単純な計算では
会員数×課金率×課金単価=売上
ですから徐々に天井に近づく会員数の向上ではなく、課金率や、課金単価を上げる事で売上の大幅な増加が狙えます。現在の会員数は推測出来ませんが、ゲームを育てていく事で大きな収益を上げられるコンテンツであると思います。
不況の煽りも受け元気の無いゲーム業界ですが
『ゲームの販売促進』と『ソーシャルゲーム』
今回の仕組みが成功例として認知されれば面白いと思うのですがいかがでしょうか。
※『モンスターハンターポータブル 3rd』の公式サイトはこちら
http://www.capcom.co.jp/monsterhunter/P3rd/
PSP(R)、プレイステーションは株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの登録商標です。
MONSTER HUNTER、 モンスターハンター は(株)カプコンの登録商標です。
その他、記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。